てんかん(癇癪とも呼ばれます)は、脳の神経細胞が一時的に異常な電気活動を起こすことで発作(てんかん発作)が繰り返し起こる病気です。小児から高齢者まで、誰にでも起こる可能性があります。
🔹 1. てんかんとは?
・脳の神経細胞(ニューロン)は、電気信号を使って情報を伝え合っています。
・何らかの原因でこの電気信号が異常に強く、広く、そして突発的に出ると、てんかん発作になります。
・てんかんは「一度発作を起こしただけ」では診断されません。繰り返し発作が起こることが特徴です。
🔹 2. 発生機序(どうして起こるの?)
🧠 通常の脳の働き:
・神経細胞同士が電気信号をやり取りして、運動・感覚・思考・意識などをコントロールしています。
・興奮を促す信号(グルタミン酸など)と、抑える信号(GABAなど)がバランスを保っています。
⚡てんかんの発作時:
・この興奮と抑制のバランスが崩れ、ある場所の神経細胞が一斉に異常な電気的興奮を起こします。
・これが周囲に広がっていくと、身体のけいれんや意識消失などの発作が起こります。
🔹 3. 図示(イメージ図)
脳の模式図で説明します。
コピーする編集する【正常時】
┌───────────────┐
│ 脳の神経細胞(ニューロン)│ ← 情報を正常にやりとり
└───────────────┘
【てんかん発作時】
┌───────────────┐
│!!!異常な電気活動!!!│ ← 過剰な発火(スパイク)
└───────────────┘
↓
周囲に興奮が伝播
↓
発作(けいれん、意識障害 など)
🔹 4. てんかんスパイクとは?
・脳波(EEG)検査で見られる特徴的な波形のこと。
・スパイク(棘波)は、てんかんに特有の「異常な電気的興奮の痕跡」を示します。
・スパイクがあるからといって必ず発作があるとは限りませんが、てんかん体質を示唆する大事なサインです。
🔹 5. てんかん発作中の「意識状態」はどうなる?
てんかん発作の種類によって、意識の状態は大きく異なります。
(1)焦点発作(部分発作)
■ 意識があることも、失われることもあります。
■ 例えば:
・一部の体だけピクピク動く
・急にぼんやりして反応しなくなる(意識障害あり)
・記憶に残らない(意識はあるように見えても中身はない)
(2)全般発作
■ 脳全体が一気に興奮するタイプで、必ず意識を失います。
■ 代表例:
・強直間代発作(全身のけいれん、倒れる、目をむく)
・欠神発作(けっしん)(数秒間ぼーっとして反応がなくなる)
🧠 発作中の本人の意識
・完全に意識を失う場合、本人はその時のことをまったく覚えていません。
・一部の焦点発作では、「自分が変だなと感じた」「景色が歪んだ」などの訴えもあります。
🔹 補足:てんかんは治るの?
・子どものてんかんは成長とともに自然に治ることも多いです。
・成人のてんかんでも、薬で発作をコントロールできる例が多数あります。
・難治性(薬が効きにくい)てんかんでは、外科手術や脳刺激療法(VNSなど)も選択肢になります。
✅ まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
病気名 | てんかん |
原因 | 神経細胞の異常な電気興奮 |
特徴 | 発作が繰り返される |
検査 | 脳波検査(スパイク)、MRI など |
発作中の意識 | 発作の種類によって「保たれる・失われる」がある |