2023.04.26

コラム

初診日に関する第三者からの申立書(第三者証明)とは

第三者証明とは、障害年金の請求において初診日が確認できる書類を添付できない場合に、複数の第三者が証明した書類を添付できるときは、初診日を明らかにする書類として取り扱うとされた処理、またはその証明書のことです。
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todokesho/shougai/shindansho/2018042601.files/1001-01.pdf

初診日に関する第三者からの申立書(第三者証明)を記入される方へ
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todokesho/shougai/shindansho/2018042601.files/4.pdf

医療機関での診療録の保存期間については、保険診療のルールを定めた「保険医療機関及び保険医療養担当規則(いわゆる療担規則)」によると、診療録は完結の日から「5年」、それ以外の帳簿・書類(例えばX線フィルムや領収書など)は「3年」と定められています。
※ 第 9 条 保険医療機関は、療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録をその完結の日から三年間保存しなければならない。ただし、患者の診療録にあっては、その完結の日から五年間とする。(出典:保険医療機関及び保険医療養担当規則)

ちなみに、この完結とは、その患者の診療が完結した時と考えることになり、継続的に受診されている患者の診療録は5年が経過しても捨てるのは難しく、継続した保管が必要と考えられます。

また、日本医師会の「医師の職業倫理指針(第3版)」では、電子カルテなどへの移行が進む中で、診療録の保存期間は永久保存とするべきとしています。
※ 記録保存形式の主流が紙媒体から電子媒体に移行しつつある状況において、診療諸記録の保存期間は診療録の保存期間と同じになるべきである。わが国では法律上5年という期間が定められているが、電子媒体化に伴い永久保存とするべきである。(出典:医師の職業倫理指針【第3版】)

障害年金を申請する場合、初診日が5年以上前というケースは多々あり、医療機関が廃院していたり、診療録が既に破棄されていて、
(1) 障害の原因となった傷病のため初めて医師の診療を受けた医療機関以外で障害年金の診断書を書いてもらうため、取得しなければいけない『受診状況等証明書』を作成してくれる医療機関が見つからない。
   
(2)受診状況等証明書の取得ができないため、『受診状況等証明書を添付できない申立書』を使い初診日を立証しようとしたけど、客観的に証明できる添付資料もない。
   
そこで・・・最後の手段として使用するのが、今回ご説明する『初診日に関する第三者からの申立書(第三者証明)』になります。
※ 『初診日に関する第三者からの申立書(第三者証明)』は、もちろん医療機関で作成される書類ではなく、請求者が第三者に作成依頼する書類です。

■ 初診日に関する第三者からの申立書(第三者証明)にある項目

① 私(申立者)は、障害年金の請求者   の初診日頃の受診状況などを知っていますので、以下申し立てます。
② (知ったきっかけ)
私(申立者)が申し立てる請求者の受診状況などは、
1.直接見て知りました。
2.請求者や請求者の家族などから聞いて知りました。
なお、聞いた時期は( 昭和 ・ 平成 ・ 令和 年 月 日)(頃)です。
③ 請求者との関係
見た(聞いた)当時の関係:   現在の関係:
④ 傷病名:  
⑤ 初診日: 昭和 ・ 平成 ・ 令和 年 月 日(頃)
⑥ 医療機関名 ・ 診療科:
⑦ 所在地:
⑧ 申立者が知っている当時の状況等
※ 記入いただく内容は、別紙「初診日に関する第三者からの申立書(第三者証明)を記入される方へ」の「裏面」をご覧ください。
申立者が見たり聞いたりした当時に知った内容のみを記入してください。記入できない項目があっても構いません。
⑨ <申立者> 【申立日】令和 年 月 日
住所: 〒
連絡先: (  )
氏名:
※ 後日、申立者あてに申立内容の確認をさせていただく場合がございます。平日 日中でもご連絡が可能な電話番号を記入してください。

■ 初診日に関する第三者からの申立書(第三者証明)の留意点

• この申立書(第三者証明)を記入できるのは、3親等内の親族以外が条件となっています。つまり、親や兄弟姉妹、祖父母、甥、姪は第三者として認められません。
初診日の証明としては、日付が記載されている診察券や入院記録などで客観性が認められる資料が求められており、本人が「いつから病院に通院してました」というような、本人(請求者)の供述による初診日等を記載した資料は不適当と判断され認められないので、注意が必要です。
原則として、2人以上の第三者証明が必要です。ただし、初診日の医療機関で働いていた医師・看護師・メディカルソーシャルワーカーなど医療従事者は、請求者が受診したことを直接的に見て知っていることから、1人でも構わないとされています。
どうしても2人以上の第三者証明を得られない場合は、相当程度信憑性が高いと判断されるものであれば、1人の第三者証明でも認められるケースがあります。
障害年金を請求する5年以内に、請求者やご家族から初診日頃の受診状況を聞いていた場合は、第三者証明として認められません。ただし、他に提出されて様々な資料を検討した結果、請求者がその時期に受診したと推定できるような場合は、第三者証明として認められるケースがあります。

この申立書を記入するにあたり大切なことは、発症当時の状態などを具体的に挙げ、現傷病と関連があると思われる事実やエピソードを記載することが重要であり、無理に全てを書き出そうとする必要性はないと弊所は考えています。

この申立書を記入するにあたり悩んでしまうようでしたら、まずは一度お電話ください。



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