2023.03.22

コラム

初診日を証明する受診状況等証明書とは

今回は、障害年金の申請で重要とされている、初診日を正しく証明する方法について見ていきましょう。通常は受診状況等証明書によって証明できますが、要の箇所での情報不足があるとその受診状況等証明書だけでは初診日の証明書にならないことがあるので、注意が必要です。
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todokesho/shougai/shindansho/20140421-20.files/0000012239XWI83snsjt.pdf

受診状況等証明書とは、A4サイズ1枚の用紙です。
裏面に「記入する際のお願い」がありますが、医療機関にてご記入いただくのは表面だけです。

■ 受診状況等証明書にある項目

① 氏名
② 傷病名
③ 発症年月日
④ 傷病の原因又は誘因
⑤ 発症から初診までの経過
前医からの紹介状の有無 (有の場合はコピーの添付)
※ 診療録に前医受診の記載がある場合、該当する番号に〇印 
1.初診時の診療録により記載したもの
2.昭和・平成・令和 年 月 日の診療録より記載したもの
⑥ 初診年月日
⑦ 終診年月日
⑧ 終診時の転帰(治癒・転医・中止)
⑨ 初診から終診までの治療内容及び経過の概要
⑩ 次に該当する番号(1~4)に〇印
複数に〇をつけた場合は、それぞれに基づく記載内容の範囲がわかるように余白に記載
上記の記載は 1.診療録より記載 2.受診受付簿、入院記録より記載したもの 3.その他(  )より記載したもの 4.昭和・平成・令和 年 月 日の本人の申し立てによるもの
⑪ 令和 年 月 日 ← 主治医の先生がこの証明書を作成した日
医療機関名 診療担当科名 所在地 医師氏名 印

ただし、以下の場合は受診状況等証明書は不要になります。

■ 受診状況等証明書が不要な時

●「初診の医療機関」と「障害年金の診断書を作成する医療機関」 が同じ場合: 障害年金の診断書によって初診日を証明することができるため、受診状況等証明書は不要です。
● 知的障害の場合: 「初診日 = 出生日」(生来から)となるため受診状況等証明書は不要になります。
※ 知的障害をお持ちの方であっても、知的障害以外の傷病を原因とした障害について申請する場合は、通常どおり受診状況等証明書は必要になります。
(例) 知的障害の方が眼の障害を理由とした障害年金を申請する場合: 眼の障害について初めて受診した医療機関で初診日の証明をしていただくことになります。

■ 受診状況等証明書の確認ポイント

医療機関にて受診状況等証明書を作成していただいたら、以下の点を確認してください。
その記載内容によっては、
1.訂正・追記をしてもらう必要がある
2.その受診状況等証明書だけでは情報が不足していて追加の資料が必要になる
場合があるからです。

空欄の項目はないか

上から順番に、全ての項目が記入されていることを確認してください。
例えば、④ 傷病の原因又は誘因 がわからないといったこともありますが、その場合は、「不明」「不詳」と記載してもらってください。

② 傷病名 の欄

傷病名は、初診から現在に至るまでの間に変わることはあるものです。初診時では診断名が不明で、転院先の精密検査によって診断名が確定することもあります。
この理由から、障害年金の診断書と異なる傷病名が記載されていても問題ありません。

⑤ 発症から初診までの経過、⑨ 初診から終診までの治療内容及び経過の概要、「病歴・就労状況等申立書」など他の記載内容から、「なぜ初診時はその傷病名だったのか」が伝わればいいのではないかと考えています。

⑤ 発症から初診までの経過
前医からの紹介状はありますか。⇒ 有 無 (有の場合はコピーの添付をお願いします。)の欄

ここで に〇がついていた場合には、「紹介状によって今の医療機関を受診した」ことがわかるので、その紹介状を書いてくれた医療機関はどこかを確認していただき、その医療機関で受診状況等証明書を作成してもらうことができることを意味しています。

⑥ 初診年月日 に記載されているか

この日が初診日になります。空欄でないことを確認してください。

⑩ 次の該当する番号(1~4)に〇印をつけてください。
複数に〇をつけた場合は、それぞれに基づく記載内容の範囲がわかるように余白に記載してください。
上記の記載は、
1.診療録より記載したものです。
2.受診受付簿、入院記録より記載したものです。
3.その他(    )より記載したものです。
4.昭和・平成・令和 年 月 日 の本人の申し立てによるものです。 の欄

「1.診療録より記載したものです。」 に〇がついていることを確認してください。
「2.受診受付簿、入院記録より記載したものです。」「3.その他(   )より記載したものです。」「4.昭和・平成・令和 年 月 日 の本人の申し立てによるものです。」に〇がついている場合は、その受診状況等証明書だけでは初診日の証明としては不十分で、他の書類も併せて提出できるような準備をしなければいけません。

■ 初診の医療機関で受診状況等証明書が取得できない時

受診状況等証明書を作成してもらおうとしても、紙カルテの時代で廃棄されていたり、医療機関等が廃業していたりと、何らかの理由で初診の医療機関で受診状況等証明書を作成してもらえない場合があります。
また、受診状況等証明書は作成してもらえたものの、
前医があると記載されたもの
診療録以外の資料から作成されたもの
である場合には、その受診状況等証明書だけでは初診日が立証できません。

初診の医療機関で受診状況等証明書が取得できない場合は、他の方法にて初診日を証明していきます。

「受診状況等証明書を作成してもらえないから」とあきらめる前に、弊所にご連絡していただき色々な方法を模索していきましょう。

 


お問い合わせはこちらから