統合失調症の初期症状は個人差が大きく、発症の仕方もさまざまですが、大まかに分けると以下のような特徴があります。病識(自分が病気であるという認識)があるかどうかも含めて、詳しく解説します。
1. 統合失調症の初期症状の特徴
統合失調症の初期段階(前駆期や発症初期)では、次のような症状が見られることが多いです。
① 陽性症状(幻覚・妄想など)
統合失調症の代表的な症状ですが、初期段階ではまだ軽度なことが多いです。
・被害妄想(誰かに見張られている、悪口を言われている)
・関係妄想(テレビやネットの話が自分に関係していると感じる)
・思考干渉・思考奪取(誰かに考えを読まれている、考えを操作されていると感じる)
・幻聴(特に「悪口を言われる」「命令される」タイプの声が多い)
🔹 病識について
→ 病識がないことが多い。
最初は「本当にそう感じる」ため、自分が病気だとは思わず、「周囲がおかしい」と考えることが多い。
② 陰性症状(意欲低下・感情の鈍麻など)
・無気力・意欲低下(以前好きだったことに興味がなくなる)
・感情の平板化(感情の表現が乏しくなる)
・話す量が減る・会話が単調になる
・周囲との交流が減る
🔹 病識について
→ 病識がないことが多い。
周囲が「なんとなく元気がない」「変わった」と感じても、本人は「疲れているだけ」「別に普通」と思うことが多い。
③ 認知機能の低下
・集中力が続かない(勉強や仕事に集中できない)
・思考がまとまらない(会話がとぎれとぎれになる、話が飛ぶ)
・記憶力が落ちる
🔹 病識について
→ 気づく人もいるが、気づかない人が多い。
勉強や仕事のミスが増えても「単なる疲れ」「環境のせい」と考えることが多い。
④ 社会的機能の低下
・学校・仕事を休みがちになる
・人と会うのが億劫になる(引きこもることも)
・身だしなみを気にしなくなる(服装や髪型に無頓着になる)
🔹 病識について
→ 本人は気づきにくいが、周囲が先に異変を感じることが多い。
「なんとなくやる気が出ない」と本人は思っているが、家族や友人が「明らかに変わった」と感じる。
⑤ 不安・抑うつ症状
・強い不安感(理由のない不安、緊張感)
・抑うつ気分(気分が落ち込む、何も楽しくない)
・過敏になる(周囲の音や光に敏感になる)
🔹 病識について
→ この段階では、病識がある場合もある。
「なんかおかしい」と自分で気づき、心療内科・精神科を受診するケースもある。
2. 病識の有無とその特徴
■ 病識がない場合
・自分は正常だと思っている
・「周囲が自分をおかしく扱っている」と感じる
・治療を拒否することが多い(「薬を飲むと悪くなる」「医者が自分を陥れようとしている」と考える)
→ この場合、周囲のサポートが重要。家族や友人が「病院に行こう」と説得する必要がある。
■ 病識がある場合
・「最近、自分はおかしいかもしれない」と気づく
・心療内科・精神科を自ら受診することもある
・しかし、症状が進行すると病識が失われることがある
→ 病識がある人は、早期に治療を開始しやすい。しかし、病状の悪化とともに病識がなくなることもあるため、注意が必要。
3. どのように対応すればよいか?
🔹 本人が病識を持たない場合の対応
・否定せずに話を聞く(「おかしい」と決めつけない)
・「最近、少し疲れているんじゃない?」と優しく伝える
・「一度、相談だけでもしてみない?」と受診を勧める
🔹 本人が病識を持っている場合の対応
・本人の不安を受け止める(「大丈夫だよ」と安心させる)
・受診のハードルを下げる(「病気じゃなくても、気軽に相談できるよ」)
・生活リズムを整えるサポートをする
4. まとめ
✅ 統合失調症の初期症状は多様で、本人が気づかないことが多い。
✅ 陽性症状(妄想・幻覚)は「現実」と思い込むため、病識がないことが多い。
✅ 陰性症状(意欲低下・感情の鈍麻)は「なんとなくの不調」と感じるため、気づきにくい。
✅ 不安や抑うつがある場合、病識を持つこともあるが、進行すると失われることもある。
✅ 周囲の理解とサポートが重要。無理に説得せず、寄り添う姿勢が大切。
統合失調症は、早期に治療を開始すれば、症状をコントロールしやすくなります。周囲が「おかしい」と感じたら、慎重に接しながら受診を勧めることが大切です。