― 今回は「筋ジストロフィー」をわかりやすく解説 ―
障害年金の更新で、進行性の病気は特に注意が必要です。
その中でも筋ジストロフィーは、時間の経過とともに筋力が弱くなる特性があり、日常生活動作の変化を正確に伝えることが、適切な等級認定につながります。
本コラムでは、筋ジストロフィーの主なタイプ、生活面でのステージの考え方、そして障害年金の更新時に押さえるべきポイントを、わかりやすく整理しました。
また、医療従事者としての経験、そして医療コーディネーターとしてのサポート内容についても紹介します。
1. 筋ジストロフィーとは
筋ジストロフィーは、筋肉が少しずつ弱くなっていく遺伝性の病気です。
症状の進み方は人によって異なりますが、歩きづらさ、階段が上れない、腕が上がりにくいなど、日々の生活の中で少しずつ支障が出てくるのが特徴です。
2. 筋ジストロフィーの主な分類
代表的なタイプを、難しい専門用語を使わずに簡潔にまとめます。
■ デュシェンヌ型
幼い頃から症状が出始め、進行の早いタイプです。
■ ベッカー型
デュシェンヌ型よりゆっくり症状が進むタイプです。
■ 肢帯型
太ももや肩まわりの筋力が弱くなるタイプで、進行のスピードは人それぞれです。
■ 顔面肩甲上腕型
顔、肩、腕など上半身に症状が目立つタイプです。
3. 生活ステージの目安
医学的な分類もありますが、障害年金の更新で重要なのは、日常生活上の動作にどれだけ支障が出ているかです。
• ステージ1:歩行は可能
疲れやすさや転びやすさがあっても、自立して生活できる段階。
• ステージ2:歩行が難しくなり始める
階段が大変、立ち上がりに時間がかかる、長く歩けないなど、生活に支障が出てくる段階。
• ステージ3:車いす中心の生活
移動の多くを車いすに頼り、日常生活の中で手助けが必要になる段階。
• ステージ4:多くの生活動作に介助が必要
食事・着替え・入浴など、複数の場面で介助が欠かせず、呼吸や飲み込みにも注意が必要な段階。
4. 障害年金の更新時に重要なポイント
筋ジストロフィーは進行性であるため、前回診断書を作成していただいてからの状況の変化を、主治医にしっかり伝えることが大切です。
診断書に反映してもらいたい項目を整理します。
■ 歩行・移動の状況
・歩ける距離
・杖や歩行器の使用
・車いすの利用頻度
・屋内外での移動手段など
■ 手・腕の使いづらさ
・食事が自分でできるか
・着替えや整容にどれくらい時間がかかるか
・腕がどこまで上がるか など
■ 呼吸・飲み込みの状態
・呼吸が浅くなった
・息苦しさが増えた
・飲み込みにくい
などの変化は、とても重要です。
呼吸補助装置を使っている場合も、審査にかかわってきます。
■ 日常生活動作
・食事
・トイレ
・入浴
・移乗(ベッド⇔車いす)
・外出の可否 etc.
5. 医療従事者の経験を活かしたサポート
弊所は、元臨床工学技士であり、現在は医療コーディネーターとして活動する立場から、次のようなサポートが可能です。
● 医療と生活の両面からヒアリング
筋力低下の進み方、呼吸の変化、日常生活での支障を丁寧に確認し、診断書に反映してもらう内容を整理します。
● 主治医が診断書を作成しやすい情報の提供
忙しい診療の中でも、主治医に現症を診断書に記載してもらえるよう、日常生活動作の変化を事前にレポートにまとめ提出し、診断書の質を高めます。
● 補助具・呼吸機器等の知識を踏まえた助言
呼吸補助装置や車いす、装具などの使用状況が障害等級にどう影響するかを把握したうえで、サポートします。
● 更新手続きの負担軽減
診断書の準備から提出まで、更新手続きの流れを整理し、スムーズに進むよう伴走します。
6. まとめ
筋ジストロフィーの障害年金更新では、日常生活上の変化を丁寧に伝えることが何より大切です。
進行性の病気だからこそ、現症と障害年金制度の両方の理解が欠かせません。
弊所は、医療の現場経験を生かし、クライアントとご家族に寄り添いながら、最適な更新申請をサポートいたします。
障害年金の更新でお困りの方へ
「自分の状態をどう伝えたら良いかわからない」
「診断書に何を記載してもらうべきかわからない」
そのようなお悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
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